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2009年2月21日 (土)

プレビュー:Wii『ディザスター デイ オブ クライシス』

台風大量発生の画像

失礼ながら、殆ど期待していなかった。《気合い》も殆ど感じていなかった。
まず見た目がそう。本当にPS2『ゼノサーガ』を作ったメーカーかよと。PS2よりスペックが上のWiiでコレだから、やっぱり《本気》ではないんだろうなと。
しかし、力があるのは間違いないメーカーのWiiデビュー作。CMから隠れた名作的な匂いも多少は感じ、応援の意味も込めて発売2.3日前に購入を決めた。
このときは、オイラ的・08年最高傑作になるとは思ってもみなかった。


細かいプレビューは「続きを読む」からどうぞ(ネタバレ無し)

■はじめに
 本作は表向き任天堂作品だが、PS2『ゼノサーガ シリーズ』『ナムコ×カプコン』、GC『バテンカイトス シリーズ』等を開発してきたモノリスソフトの作品であり、同社Wiiデビュー作。
 Wii発売前から発表されていて、長い潜伏期間を経て昨年7月発売予定となったが、某国の地震への配慮か発売が無期延期となり、9月初旬に同月25日発売を発表するという異例な経緯を辿った作品。

■グラフィックについて
 冒頭に書いたように、発表から発売まで「グラフィックが…」という意見が絶えなかった。お世辞にも美麗な印象は受けず、写真を見ればN64クラスの印象まで受けたりもした。同社のデビュー作と言えるPS2『ゼノサーガ 力への意思』はまさに美麗な超大作であった為、そのギャップがこの印象を強くしたに違いない。

 この理由は遊んでみるとよくわかる。マップ全体がパーツっぽくなく、そしてダイナミック。
 自然災害がテーマだが、よくある「被害前マップ→災害ムービー→災害後マップ」ではなく、リアルタイムにマップに災害がくる場面が多い。大きなビルが目の前でリアルタイムで壊れる、津波が襲ってきてそのマップを逃げるイベント…「見た目」より「仕掛け」にパワーを回してる感じ。

■程よい制限時間で程よい緊張を
 主人公には敵の攻撃を受けて減るライフと、時間と共に減っていくスタミナの二つのゲージが存在する。
 スタミナは常時減り続けていく。スタミナが無くなった場合、今度はライフが減り始める。ライフが無くなるとアウト。実質、制限時間だ。

 マップを探索するのも本作の醍醐味だというのに制限時間かよ…と思う無かれ。
 そもそも、フィールド事態とても広いワケではない。あと、逃げ遅れた人の方向だけはいつでも確認出来る(逃げ遅れた人の方向をカメラが教えてくれる動作が出来る。又、声を出して助けを求めている場合もある)。あと、マップ上のゴミ箱や障害物を破壊すると食べ物が出てきたりする。これを食べる事でスタミナは回復する。また、前マップから持ち込めるアイテムによっても回復できる。

 思うに、この制限時間が無ければ緊張感が無くダラけてしまう。世界観上、これは非常に好ましくない。
 なお、同じマップは何回でも再挑戦出来る。前述のアイテムについても持ち越せるし、一度取ったアイテムも復活する。それに、その難易度は効率よく救助しなければ全員を助け切れないというものでは決して無い。タイトル通り、程よい緊張感、世界観による緊張感のみを残してくれる。

■カメラ操作に改善の余地あり
 前述の通り、マップ内の探索は本作の大きな醍醐味。
 逃げ遅れた人を探す、隠されたアイテムを探す、隠し要素を探す…特に隠し要素については、物の影にあるとか、普段あまり見ない部分に道があったりとカメラ操作に頼る部分がある。それなのに、カメラがイチイチ頭が悪い。基本的に自由にカメラを動かして遊ぶが、物に引っかかるとか混乱するとかいう場面が多々ある。これによって前述の制限時間に著しく影響するほどではないが、非常に不愉快。これは、ちょっとフォローできない。要改善!

 なお、瞬時の対応が求められるのは戦闘中のみであり、戦闘中のカメラは固定されているので、カメラの所為で戦闘がし辛いということはない。

■読み込みが長い
 こればっかりはフォローのしようがない。長い。
 ローディングメーターがあるんですが、同じ場面でも毎回長さが違います。リトライというのがあり、一度ステージを読み込んでいても短くなることはありません。読み込みが入る移動がしょっちゅうあるゲームではありませんが、これは残念でした。

■リモコンを使った仕掛け、一体感に拍手
 強引にリモコンを使っていると叩かれるゲームがWiiには多々存在する。普通にボタン操作にして方が良かったのでは?みたいな。思うに、「リモコンを使う事で、機能面が便利になる」というのを強引にやろうとしているのが批判を浴びている気がする。

 これに対し、本作はリモコンを「その雰囲気を盛り上げる為」に使っている。
 機能面については、戦闘中の撃つ場所を瞬時に、直感的に指し示すというリモコンが最も得意とする部分に使っている。まったく問題が無く楽しい。
 そして、マップ探索時の「手を差し出す(タイミングよく振る)」「全力で走って逃げる(早く振り回す)」等、その雰囲気を盛り上げる為に使っている。リモコンで無ければ出来ない操作ではなく、リモコンならではの一体感に使っている。

 また、演出でリモコンスピーカーからラジオが流れたりする。音質があまりよく無いのを逆手にとったその演出には脱帽。まさにラジオの音質となっている。手元から聞こえるラジオが雰囲気を醸し出してくれる。ってか、効果音程度しか出せないと思っていたが、ちゃんと長く喋れるのかと思ったもの。ちなみに、オプションでテレビから流す事も可能。

■RPG要素も搭載
 基本はアクションゲームだが、RPG的な要素もある本作。
 RPGでいう経験値は2種類あり、「人助けして貰えるポイント」と「敵を倒して貰えるポイント」と考えてもらえればいい。「人助けポイント」は主人公の強化に使い、「敵ポイント」は武器の購入や強化に使う。

 厳しい場面なり苦手な場面に遭遇したときは、前ステージを再プレイしてポイントを稼ぐ事が可能。購入できる武器には進行具合等で制限がかかるが、ポイントがあれば強化は最大まで可能。
 よくある「威力重視にするか、使い勝手重視にするか…キミ次第!」というのではなく、上限があるだけで単純に各項目を強化していく。悩むのは先に何を強化するかだけでいい。当然、全項目を最高まで強化するには大量にポイントが必要だが、「強化に失敗した。また最初から…」という危険はなく、「時間をかければどうにかなる」というRPGのお手軽さが備わっている。これは、主人公の強化についても同様。

■武器選択の自由と、それを受け止める完璧な難易度調整
 前述のように、厳しい場面では《ある程度のレベル上げ》が出来るので、アクションが苦手な人への救済策にはなっている。とは言え、やっぱりアクションゲーム。レベル上げで難易度が激変したらただの作業アクションになってしまう。
 ステージには4種類の武器を選んで持ち込む。中には非常にクセのある武器もある。勿論、いわゆる一般的な拳銃やライフルだけでクリアする事は十分可能。高難易度においてもそれは同じ。実質、全ての武器を使いこなさなければクリア出来ないという事は絶対に無い。

 勿論、あのボスにはこの武器が非常に有効というのはある。また、クセのある武器を上手に使う事が条件となっている隠し要素も少し存在する。なにより、クセのある武器を上手に使える場面を見つけた時は快感は素晴らしい。
 話がズレるが、『星のカービィ』のコピー能力について生みの親である桜井氏が「初心者にはコピー能力を使わなくてもクリア出来るようにしてあるし、上手な人はコピー能力を使いこなして一癖あるクリアの仕方を楽しめるように作ってある」というのを思い出した。本作は、まさにそれに当てはまると思う。

 タイトル通りだが、あまり悩まず自分の好きな武器を好きなように育てていくのが正解。この手の成長システムがあるゲームは、失敗すると難易度が激変したりするのが多々あり、面倒くささを感じる人が多いと思う。「こうやって強くしてきたけど、これで正しいのかな?自分は人より苦労してるんじゃないかな」という不安が付きまとったり。

 心配は要らない。自分の好きな武器を好きなように強化していけばいい。完璧な難易度調整がプレイヤーの自由度を受け止めてくれる。

■戦闘中は攻撃と回避のみに集中
 本作は、「マップ探索モード」と「戦闘モード」が完全に切り離されている。フィールドを歩いて敵を発見し、その都度倒していくスタイルではなく、戦闘になると完全に切り替わる。

 戦闘シーンはまさにFPS。だが、プレイヤーは攻撃と回避だけに集中すればよく、移動を行う事は無い。よくゲームセンターで「物陰に隠れる→隙をついて一瞬顔を出し撃つ→また隠れる→全滅させたら自動で移動」というゲームがあるが、あれだと考えてもらえばいい。

 照準は勿論Wiiリモコンによるポインティング。感度や操作感にはまったく問題ない。
 Zボタンで隠れ、隙を見つけてZボタンを離し顔を出して撃つ、Zボタンを押してまた隠れる。また、Cボタンを押す事で照準の拡大が出来る。遠くを狙う時や、敵の頭を狙いやすくなる(当然、頭が一番ダメージが高く、ポイントも多く入る)。しかも、拡大中に撃った攻撃力は2倍になる。但し、拡大中に受けたダメージも2倍になる。まさにハイリスクハイリターン。このスリルはたまらない。

 というワケで、複雑な操作は一切要らない。撃つ・回避だけに集中するシンプルな戦闘が展開する。前述の武器の選択についても、敵との位置関係が固定なので戦略も立てやすい。

■まとまってないまとめ
 そもそも、難易度がそんな高いゲームではない。もちろん、マニアック難易度も存在するが。
 世界観からして万人向けとは言えないし、人を撃ち殺すのが常ですからより万人向けではないでしょう。ただ、その難易度調整、仕掛け、一体感はまさに万人向け。血が飛び散るような演出もありません。FPSとしてはシンプルですが、武器の選択とそれを受け止める計算しつくされた難易度とステージ構成によって深さも達成されています。

 よくよく考えれば、その見た目と違いシンプルなゲームなのかもしれません。これは、万人向けというシンプルであって、深さが無いというワケではありません。やり込み要素は多く、丁度良い制限時間とマップの広さで再プレイが億劫になりません。その調整ぶりも見事です。

 内容事態がシンプルで万人向けなのに、世界観等で客を限定してしまっているようで非常に残念です。また、緊急に発売日が決まったようでプロモーション不足だったのではという悔やみも残ります。世界観的には海外で売れそうでしたが、海外でも撃沈と聞きます。

 とにかく、世界観さえ嫌いでなければ是非手にとって見てください。

ディザスター デイ オブ クライシスディザスター デイ オブ クライシス
メーカー:任天堂
発売日:2008/09/25
機 種:Wii
開 発:モノリスソフト


■関連記事
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■関連リンク
 ・『ディザスター デイ オブ クライシス』公式サイト

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コメント

>雰囲気を盛り上げる
Wiiリモコンを使いこなす、とはそのようなことを言うのかもしれません。
零の「敵に掴まれたときにリモコンを振って振り払う」とかもそんな例でした。(ちなみにオプーナとか428とかも違った意味で使いこなしてたように思います)

>本当にこの育て方でいいか不安になる。
よくありますね。こんな風にしたらいいよ、とかいうガイドを入れるとか、失敗してもある程度やり直せるシステムとかがあるといいんですよね。

…と、ディザスターと関係ない話をすいません。本作は買おうと思いつつもFPS系のゲームが苦手で手を出さずにいました。殺伐としないFPSがあればいいんですけどね。(マリオがポンプで水をかけ合うとか)

投稿: 土星産の卵 | 2009年2月21日 (土) 17:54

ディザスターはなかなかいいゲームでしたよね。
マニアックすぎないところがいい。

ただ、車を操作するステージは
なかなかクリアできなかった思い出が…

投稿: 斎太郎 | 2009年2月21日 (土) 21:25

はじめまして。
以前からこのブログは良く見させてもらってます。
ディザスターですが、僕も第一印象はあまり良くなかったんですよ。劣化版メタルギアっぽい印象で。
でも実況プレイで見たりこの記事で細かい事が書いるのを見て興味が沸いてきました。
近いうちに買いたいと思います。
僕も任天堂が好きなので今後もこのブログにコメント等していくと思うのでヨロシクお願いしますね。

投稿: マクラウド | 2009年2月23日 (月) 11:51

>土星産の卵さん
育て方への不安ってのは本当にトラウマクラスなんで、この要素を見たときは本当にゲッソリしましたね。
自由に育てていいのに、【答え】じゃない事をしてると人一倍苦労するみたいな…その点、本作はキチンと受け止めてくれるんですよ。たぶん…。

殺伐としてないFPSってのは確かになかなか無いですね。難易度はともかく、もっとこう気楽なFPSが沢山欲しいところです。見た目はかわいく、内容は本格的と。あったら楽しそうですね。ってか夢のようだ。これこそWiiでやるべきかと思います。出て欲しいなぁ。

>斎太郎さん
車で苦労してる方が多いみたいですね。自分はそうでもなかったです。まぁ、流石に火山は苦労しましたがね(汗)
おっと、ネタバレ注意と(笑)

>マクラウドさん
始めまして。コメント+閲覧、誠にありがとうございます。
見た目は、確かにセールス的にはマイナスだったでしょうね。メタルギアと比べられても仕方ない部分もあったかもしれません。あと、絶体絶命都市?ともよく比べられていました。
が、プレビュー通り、少なくともオイラは大絶賛です。Wii買って良かったと素直に思ったものです。
コメントはいつでもどうぞ!大歓迎です。今後も、どうぞよろしくお願いします!

投稿: ヨッシー | 2009年2月23日 (月) 21:33

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