プレビュー:DS『ファンタシースター ZERO』

オンラインゲームの楽しさを教えてくれたシリーズがDSに登場する。これだけで興奮せずにはいられなかった。
しかも、DSならではの手書きチャット(ビジュアルチャット)を搭載して。会話してるだけで楽しそうじゃないか。それに、圧倒的にスペックの劣るDSで「DSの限界に挑戦する」と言うのだから注目せずにはいられない。絵も大好きだし。
レビューは続きを読むからどうぞ!(システム面で若干のネタバレあり)
■はじめに
本作は、国産オンラインゲームの老舗『ファンタシースター』シリーズの最新作で、オンライン対応としては初の携帯機での登場。オンラインゲームとして始めて登場したのはドリームキャスト。その後、複数のハードで展開してきたが、完全新作としてDSでの登場となった。Wi-Fiに対応し、全国のプレイヤーとまさにオンラインプレイが無料で楽しめる。
■シリーズの前作、PSUの解説
シリーズの前作と言えば『ファンタシースターユニバース』があたるでしょう。PS2・PC・360で展開中です。オンラインには対応していませんが、PSPでも発売されています。チャットの多彩さ、それに伴う楽しさ。キャラクターメイキングの多彩さとファッションパターンの多彩さでまさに自分だけのキャラクターが作れました。また、6人同時戦闘の派手さは尋常ではありませんでした。
が、特に6人同時戦闘では処理落ちが大きな問題になりました。高スペックでないPCやPS2では話にならない状態とも言えました。サービス開始から間も無く「4人まで」「3人+コンピュータ」等のようなチームが目立ち始め、更には「PS2組お断り」というチームや、PS2・低スペックPCプレイヤーはチームから強制排除される事もしばしば。また、レベルと共に激しくなっていく魔法エフェクトを嫌い、強い魔法を使うキャラが嫌われたりと、プロとは思えない予想不足の亀裂が生じた。
■PSOの新作
コレに対し、本作は『ファンタシースターオンライン』の新作といえます。
武器・防具の属性システム、マグの復活、効果音。全てPSOの復活です。PSOを遊んだ方は、すんなり入っていけますし、「あぁ、PSOの続編だ」と思える事を保証します。
なお、シリーズ未経験者もまったく問題ない。複雑なシステムのゲームではありません。シリーズを遊んできた人がニヤリとすると言えば、武器や効果音・歴代の技名など。肝心の物語については、基本的にシリーズやっててもニヤリとする場面は無い。
■で、そのストーリー
問答無用で0点。近年稀に見る駄作。
「要所要所でアニメーションが挿入され、物語を盛り上げます!」「GONZO製作の迫力アニメーション!」と言ってたからには、オンラインゲームは物語を楽しむものではないって言い訳も認めない。
その王道ストーリーを見事に【手抜きだろ?】に下落させる迫力の無いアニメーション。こんなの入れる暇があったらアイテムの一つでも入れてくれと感じたし、冗談抜きで寒気がした。設定の壮大さだけは認めよう。が、それをまるで世界観に繋げられておらず【設定】だけで止まっているし脚本からも感じなかった。故に物語に登場するキャラクターへの愛着は無し。フォローのしようが無いし、フォローする気もない。
■ビジュアルチャットの楽しさと、フレンドコードの壁
本作の目玉、ビジュアルチャットの楽しさは尋常でない。まさに、無限の楽しさと可能性、そしてネタがある。
「PSUは最強のチャットツール」と褒めてるのか貶してるのかわからない話もありましたが、本作はそれを越えている気がします。「こんにちは」も、100人いれば100通りの「こんにちは」の出来上がり。こんなゲームは滅多にありません。ただの会話がネタになってしまうのです。絵が描けるに越した事はありませんが、文字だけでネタが作れます。
よって、フレンドコードの壁が勿体無さ過ぎて勿体無さ過ぎて…セガ側もそう思ってたのか、フレンドコード交換の公式サイトまで立ち上げました。こういったコミュニケーションを苦手としている人が沢山いるのも事実で、定型文による会話だけで、「一緒に戦う」だけで満足する人がいるのも確かです。実際、嫌な想いを事もあるでしょう。
しかし、それこそがオンラインゲームの醍醐味であり、現実の人間と一緒にゲームをしている醍醐味です。間違いなくDSならではのオンラインゲームのコミュニケーション。悔やまれます。
■音楽
まさにPSO。DSだろうが何だろうがPSO。拍手あるのみ。スピーカーの関係から音質云々はあるにしても、まさにPSO。何もいないフィールドシーンと、敵が出現した際の自然な移行。何よりその雰囲気はまさにPSO。流石に壮大さに欠けるのはあるけど、まさにPSO。少なからず「PSOっぽい」は達成してると思います。
■ボタンの数と操作性の闘い
ドリームキャストから始まったオンラインゲームとしてのファンタシースター。その後、各ハードで登場してきたが、シリーズ中、最もボタンが少ないハードでの登場は、やはり操作性への影響は避けられなかったらしい。
PSOは、各ボタンに使うアクションを登録して戦います。登録できるアクションの数はレベル調整によってカバーされているのがよくわかりますが、瞬時に武器を持ち替えたかったり、特に補助テクニックを使いたい場合の面倒さったらありません。また、スタートボタンを使うアクション操作は、どのDSかによって大きく変わってしまいます。
また、カメラ操作もクセがあり、最初は戸惑いそうです。こちらも、俊敏なカメラ操作を要する状況はあまり無いということでカバーされていますが、まったく無いワケではないので、やはり「操作のうまい下手」ではなく、「ハードによる操作」でストレスを感じる場面が多少あるのは否めないところです。
但し、慣れは必要だけど「PSOでは出来たあの操作が出来ない」というのが基本的に無いのです。逆に言えば、慣れてしまえば、手元にPSOが遊べるのです。
■スペックとグラフィックの闘い
オンラインゲームのファンタシースターとしては、シリーズ中最低スペックマシンでの登場。言うまでもなく、グラフィックはシリーズ中最低です。ちょっと低いではなく、圧倒的です。テクニックなんかは、PSUに比べたら爆弾とマッチくらい違います。
しかし、最も重要、かつ驚くべきはゲーム制が無傷であることです。
見た目がショボいだけで、まさにPSOなのです。敵の数が少ないワケでもなく、処理落ちが激しいワケでもなく、小さい敵しかいないワケでもなく、武器が少ないワケでもなく…本当に、スペックによる違いは見た目だけの違いに止まっています。特に、敵が少なくないのが大きい。これが削られてはPSO崩壊ですから。肝となる部分は完璧に守られています。
■キャラクター育成とプレイ時間
オンラインゲームと言えば、プレイ時間数百時間は普通です。数百時間やっても、最高レベルになんてなれない。20~30時間程度では「あ、まだあんまり遊んでないんだね」というのも普通。異常な世界です。
本作もそうなのかというと、そうではありません。一時間に数レベル上がるのも珍しくありません。しかも、最高レベルは100(説明書に書いています)。つまり、「数百時間育てて、最強のキャラクターをつくるぞ!」という意気込みだった方はガッカリしそうです。
■だったら何をやり込むの?
本作のやり込みとは、アイテム収集にあると考えます。
各ジャンルの達成率・収集率…まさにやり込みです。レアアイテムやレアエネミーの収集となかなか燃えます。また、各ジャンルの達成率が一定に達するとご褒美がもらえます。これがなかなか実用性があり、嬉しいのです。また、持てるアイテム上限が上がったりと、自己満足ではない意欲が起こります。これは大きいです。
また集めるだけでなく、例えば同じ武器でも強さが違うのがミソ。また、どのように育てるかも考えと運次第。
【属性】というのがあり、どの敵にどの程度強いかというの数値があります。ですので、「この武器であの敵と有利に戦いたい…」となれば燃えちゃいます。その敵の【属性】は表示されますので、悩む必要はありません。苦労して手に入れ育てた武器を持ち、ステージに向かうとき、又はボス前で武器を持ち替える時の快感はやり込んだ人だけに許される快感です。
ミッションクリア回数や敵撃退数も蓄積されていくので、そのへんでやり込みを目指すなら数百時間も可能でしょうし、もちろん20~30時間で大半が揃うなんて事はありませんのでご安心。
■まとまってないまとめ
初代から遊んできたわけではないが、オンラインゲームの楽しさ・素晴らしさを教えてくれたシリーズであり注目してきました。グラフィックはどうでもいいと言いつつも、圧倒的にスペックの劣るDSでの登場に大きな不安があったのが正直なところです。
ボタン減少による操作性の低下、スペック低下によるグラフィックの低下は間違いありません。が、あくまで低下であって削除はありません。これは大きいです。また、公言どおり、間違いなく「DSの限界に挑戦」しています。
本作の目玉、ビジュアルチャットはフレンドコードの壁が本当に悔やまれるところです。ただ、コード交換サイトも立ち上がっているし、友達同士でも是非体感して欲しい。今までにないコミュニケーションの楽しさが体験できる事を保証します。
また、オンラインゲームを遊んだ事が無い人にも最適。概ね難易度が低めですし、ビジュアルチャットを用いない事で、コミュニケーションの緊張感が緩和された中で実際のプレイヤーとのチームワーク戦闘が体験できます。また、DSなのでどっしり腰を据えなくてもいい気楽さがあります。
レベルの上がりやすさと上限100には賛否両論があるでしょうが、携帯機で数百時間遊んでも最高になれないのも反対意見が出そうです。これでストーリーが良かったら、文句無しに「PSOが手元にやってきた!」と言えたのですが…
キャラクターレベルではなく、アイテム等に愛着を持つのが正解なのかもしれません。自分が求める最高条件のアイテムを手に入れ育てるのは大変ですが、是非達成までやりこんでみて下さい!(既に投売りされてるし丁度いい…)
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