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2009年7月20日 (月)

プレビュー:Wii『フラジール -さよなら月の廃墟-』



フラジール薬の画像

↓続きを読むからどうぞ!(ちょっっとだけネタバレあり)

■はじめに
 最終的には発売日1年前程度に開発が発表され、その後各ゲーム雑誌を通じてショートストーリーやゲーム中で登場する落書きを募集し、更にはメールマガジンも発行するなど、長く長くプロモーションされてきた作品。ホラーを思わせる場面も多々あった為、ある程度誤解も広まったが、泣けるヒューマンドラマである旨が繰り返し言われてきた。
 開発は『バテンカイトス』『トラスティベル -ショパンの夢-』などを手掛けてきたトライクレッシェンド。

■世界観とグラフィック
 廃墟を探索するのが本作の醍醐味であり、肝部分。故にある程度グラフィックは「お!いいね!」と思わせて欲しかったけど、ちょっと達していない。PS2でも十分いけたんじゃない?って程。

 ただ、決して綺麗じゃないけど醍醐味である世界観は十分に確立されているし、練り込まれているのが伝わってくる。パーツっぽさを感じず、機械的じゃない。ただ建物が連なっているのではなく、そこから「ここの人達はどういう生活をしていたのか」「どうしてこうなってしまったのか」など、多くのストーリーが伝わってくる。それが醍醐味とは言え、マップから多くのバックストーリーや生活観を感じられる作品は滅多にお目にかかれない。

■ちょっとした恐怖で世界観を補強
 随所に存在する落書きに「なんであんなやつが存在するんだ」「このさきにあいつがいる」等、ゾクッとする物が多い。手術室に大量に「ころされる」なんて書いてたりするんだから、結構ゾクッてなる。

■大量のミニストーリーでも世界観を補強
 探索では、人々の想いの詰まった様々な品物を拾う事になる(手紙とか日記帳とか)。後述するセーブポイントに持ち帰る事により、フルボイスの語りが始まる(主人公が読むのではなく、それぞれが語る)
 その世界観に乗っ取り、死に際の想いや伝えきれなかった想い等、考えさせれる切なくも暖かい物語が多数展開する。これも魅力であると同時に、世界観の確立に大きく貢献している。

■もう一捻り欲しかった戦闘
 一応、アクションRPGの顔を持つ本作。廃墟を探索し、リアルタイムで敵が出現し、攻撃し、攻撃を避け、経験値を獲得し、レベルが上がり、各ステータスが上がる。ボス戦もある。武器にはカテゴリが存在し、オーソドックスな物、範囲の広い物、飛び道具等があり、それぞれ一長一短。

 内容を聞く限りはメリハリのある戦闘だけど、残念ながら実際には達成されていない。
 要は単調なのだ。Aボタンで攻撃し、普通の移動で避ける。それだけ。敵により攻撃するタイミングや攻撃箇所を変えなければならないが、やはり”作業”の域を脱しておらず、武器による一長一短も表現しきれていない。

■Wiiならではの操作で雰囲気も補強。が、改善余地あり
 懐中電灯片手に薄暗い廃墟を探索する醍醐味は、その操作で探索する雰囲気も補強されている。
 リモコンを懐中電灯に見立て、視点移動と任意箇所を直感的に照らし出す動作は、まさにWiiならでは。瞬時に照らさなければならない場面は基本的に無く、そういう意味ではWiiである必要は無いが、この雰囲気はとても大事。また、照らすことで浮かび上がる落書き等は多く、全てを照らしながら歩くクセがついてしまう。今となってはオーソドックスな操作だが、これは非常に大きく、見事な相乗効果を起こしている。

 また、リモコンのスピーカーも使っている。
 音を手掛かりに何かを探すとき、リモコンを向けるとリモコンから音がしたり、敵が接近すると呻き声がしたり、パートナーからアドバイスが聞けたり。テレビのスピーカーからでもいいんだろうが、雰囲気が盛り上がる。

 が、視点移動については改善の余地ありだ。ポイントが、たまに明後日の方に行ってしまう。狭い場所だと発生しやすい。前述の通り、スピードを求められる場面は滅多に無いが残念だ。

■無くても良かった?大量のセーブポイントでOK? 所持数制限と武器の破損
 持ち歩けるアイテム数には限りがある。探索中に拾う物や敵が落とすアイテムもある為、持ち歩く武器やアイテムは最小限が基本。その調整はセーブポイントで行う(手荷物に制限があるだけで、いわゆる【倉庫】には大量に入る)

 このセーブポイントは大量にあり、回復も出来るし、たまに登場するアイテム屋で売買も行う。これは、数分に一回程度の頻度で設置してるからビックリ。
 この売買にはお金を使うが、お金は敵が落とす換金アイテムで獲得する(確率で落とす)。前述のミニシナリオアイテムが換金アイテムの所為で取得できず、セープポイントに戻ってまた取りに行ったりとなると結構面倒。逆に換金アイテムを取得できなくても結構なストレスになる。
 また、武器はある程度使うと壊れてしまう。持ち替えるか、セーブポイントでカバン(いわゆる【倉庫】)から取り出さなければならない。当然、予備の武器を持ち歩けば、所持枠が圧迫される。

 前述の通り、手際良く武器を持ち歩かなければ…という作品ではないので、せめてシナリオアイテムは独立して制限無しにしても良かったのではないかと思うんだが。世界観こそ本作の醍醐味。醍醐味をシステムが邪魔するのはどうかと思う。

■まとまってないまとめ
 とにかく、全てにおいて「おしい!」って印象でした。
 逆に、全体的にもう少し練りこむなりボリュームがあれば間違いなく誰にでもオススメ出来る名作になっていたと思います。そういう意味では、酷い消化不良に襲われた作品でした。

 が、リモコンを活かした操作と仕掛け、それらを活かした演出の多さと雰囲気の提供には拍手。
 その雰囲気から、激しかったり凝った戦闘は考え物ですが、ちょっと単調なのは否めませんでしたし、そのモーションも機械的だったのが残念。

 物語としては「世界観はバッチリ確立されているのに、それを活かしきれてない!」って感じでしょうか。
 繰り返します。悪くは無い。とにかくおしい!

フラジール ~さよなら月の廃墟~フラジール ~さよなら月の廃墟~
メーカー:バンダイナムコゲームス
発売日:2009/01/22
機 種:Wii



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