読書感想文:桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
ライトノベルに留めておくのは勿体無いとかで、挿絵を全て取って”普通の小説”として再発売した異例の経緯がある。と聞いていた。
表紙はもちろん、いわゆる”萌え絵”を挿しながらで非常にショッキングでグロテスクな表現を使い、重い物語が展開する。
こういうの、大好物なんですわよ。ギャップ+学園もの!
というワケで、かなり期待したんだけど、ラノベの悪い所が垣間見えて、気持ちが途切れる事が多かった。
ラノベ=ダメと言ってるんじゃない。
大事な仕掛けが時折極端で突っ込まずにいられないとか、”女の子のこういう喋り方カワイイでしょ?”みたいな悪いラノベっぽさ耳障りというか。
題材や世界観、話の展開は良い意味で現実的で苦い。
あぁ、わかるわかる。こういう人とか、こういう事ってあるよねと。
「小説?これ漫画小説でしょ?」と言われたら、「読んでから言え」と反論したい気持ちは残っている。
約200ページと短い物語ですが、この人物はもっと掘り下げて欲しいということも多かった。感情移入しかけた頃、この人のバックストーリーは!という所でブチ切られる生殺し感が多々あった。
題材や世界観がとっても好きだっただけに、本当に悔やまれる。
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